東京・横浜・横須賀・自費出版・フジモト


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はじめに
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市田印刷出版からのご挨拶
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フジモトからのご挨拶
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本づくりへの想いをこめて
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 はじめに prologue

 出版における医者と患者の関係

 最近、あるお客様に言われました。「そうは言ってもね、結局本作りとは医者と患者の関係なんだよね。本作りを頼むほうが患者で、編集者のあなたは医者なんですよ」と。つまり、患者というものは病気(出版)のことについて専門的なことは何も分からないので医者(出版社)の言われるがままに従わざるを得ないということらしいのです。そんなことはないと反論したのですが…。
 一体どういうこのなのでしょうか。結局、いつでも患者(著者)は医者(出版社)の言いなりなのか? 確かにその通りなのかも知れません。専門的なことを言われてもシロウトにはさっぱり分からないわけで、医者にこの治療法で行きますよと言われれば、それでお願いしますと言ってしまうのが、か弱い患者の立場でもあります。

 そこでこのような関係性をクールに受け止めて、自費出版とはともかくこちらのシステムや方法論を一方的に(しかしながら懇切・丁寧に)説明するといったようなビジネスなのでしょうか。
 でもわたしにはそうは思えません。

 これまでにいろいろな種類の本を作ってきて分かったことがあります。
 それはお客様に対して、こちらがこれでいきましょう、このレイアウトデザインでお願いしますと提案しても、往々にして最終的にはそうはならないということです。
 それは依頼主であるお客様も同じ気持ちだと思います──すなわちお客様からみても編集者からみてもイメージした以上にいい感じに、ご依頼の本が仕上がるケースと、そうでないケースがあるからです。でもそうでないケース(編集者から見て)が、お客様には分からない(実は編集者も出来上がった本についてのお客様の本音が分からない)ということがあるのではないでしょうか。
 例えば、本づくりとは服づくりにおけるプレタポルテ(高級既製服)でもないし、かといってオートクチュール(高級注文服)でもない。では何なのか。果たして編集者が、自費で本をつくりたいというお客様の要望に100%応えていくということはどういうことなのでしょうか。

 本づくりにおける依頼者(著者)と制作者(出版社)の関係性を患者と医者に例えて考えるということは忘れてはならない視点だと思います。

 そしてもうひとつ、本づくりには文化的な価値を有するとの側面があり──「人が生きた証」を後世に残すツールとしては、今のところ紙の本しかないのではないか──かつて録画したVHSもベータも半世紀も経たないうちに今や再生が困難になってるという事実。それは常につくり手の頭の片隅に置いて置かなければならないことだと思います。

 複雑で手間のかかる原稿整理を伴う編集作業、来社困難なお客様のお宅訪問で出版相談、電話インタビューでの原稿作成サービスを新たにご提供します

 本づくりの匠 フジモトは、書店流通本だけでなく、これからは俳句・短歌集、自分史、遺稿集などの制作のお手伝いに力を入れたいと思っています。手書きの原稿のリライト、原稿収集整理・電話インタビューによる原稿作成、高齢や病気などで出掛けるのが困難なお客様には、こちらから出向いて行くといったサービスをご提供したいと思います。是非ご利用頂きたいと思います。

 2021年2月吉日    

                             本づくりの匠フジモト 代表 藤本隆次

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